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開発記録 / DX経営ゲーム制作記 / Vol.5 機能拡張と展望

記事 25

次はAI経営シミュレーションを作る

このシリーズを書き終えて、DX経営ゲームの制作記を25本振り返った。設計の判断、失敗と修正、AIとの対話、本番障害、テスト自動化——全てのプロセスを記録した。最後に、次に作るものの話をしたい。

2026-06-02 公開

このシリーズを書き終えて、DX経営ゲームの制作記を25本振り返った。設計の判断、失敗と修正、AIとの対話、本番障害、テスト自動化——全てのプロセスを記録した。最後に、次に作るものの話をしたい。


なぜAI経営シミュレーションか

「DXの次は何か」——答えはすでに目の前にある。生成AIだ。「DXを進めろ」という10年前のメッセージが、今は「生成AIを活用しろ」に変わっている。そして多くの経営者が同じ問いを持っている。「どこから始めればいいか分からない」「いくら投資すべきか分からない」「リスクが怖い」。


「AIに投資しない会社も、しすぎた会社も沈む」

AI経営シミュレーションのコアコンセプトはこのキャッチコピーに込めた。DX経営ゲームとの最大の違いは「リスクの種類」だ。AI経営では、AIハルシネーション炎上・個人情報漏洩・AI依存によるスキル崩壊という3種類の「死に方」が加わる。これらは全て、現実の企業で起きていることだ。


DX経営ゲームのエンジンが活きる

技術的には、DX経営ゲームのエンジンを大部分流用できる。ターン進行、意思決定システム、市場競争、診断レポート——これらはそのまま使える。DX投資の4軸をAI投資の4軸に置き換え、イベントの内容をAI時代の出来事に変える。2026年後半リリースを予定している。


このシリーズを書いた理由

最後に、このシリーズを書いた理由を記しておきたい。

DX経営ゲームを数週間で作れたことは、単なる技術の話ではない。「AIと人間が協働すれば、一人でも大きなものが作れる」という事実の記録だ。設計の判断は私がした。「これが研修として正しいか」という問いへの答えも私が出した。AIはその判断を支援し、実装を速めてくれた。

「何を作るか」は人間が考える。「どうやって速く作るか」はAIが助ける。

この協働の形は、これからの仕事の標準になると思っている。それを記録したのが、このシリーズだ。

AI経営シミュレーションの具体的な構想

「2026年後半リリース予定」と書いた。その具体的な構想を、現時点で固まっている範囲で記録しておく。

ゲームの基本設計

プレイヤーは中小企業の経営者として、AI活用への投資意思決定をゲーム内で行う。DX経営ゲームと同様に製造業を舞台にするが、「AI投資の4軸」を新たに設計した。

DX経営ゲームと異なる「死に方」の設計

AI経営シミュレーションには3種類の「特有の倒れ方」が加わる。

「AIハルシネーション炎上」——AI_SALESへの過剰投資で、AIが生成した顧客向けメールに誤情報が含まれ、SNSで拡散。ブランド価値が急落するイベント。AI_GOVへの投資が低い企業に確率で発動する。

「個人情報漏洩」——AI活用のデータ整備が進む過程でセキュリティ設定を怠ると、顧客データが流出。現金への多額の損害賠償と行政指導が発生する。AI_GOVへの投資が一定以上なら確率が低下する。

「AIスキル崩壊」——AI_OPSを急速に進めることで、既存の業務スキルを持つ従業員が「AIに任せればいい」という状態になる。AIシステムが障害を起こした際に、人間が対応できなくなる。

これらのイベントは全て現実に起きていることだ。「AIに投資しすぎても沈む」「投資しなくても沈む」——このジレンマがAI経営シミュレーションの核心だ。


DX経営ゲームを作って確信したこと

このシリーズを25回書いて、改めて確信していることがある。「AIと協働することで、1人の人間が作れるものの限界が変わった」という事実だ。

数年前なら、データベース設計からフロントエンドまで一人で数ヶ月かけて作るものが、数週間で動くようになった。速さだけの話ではない。「一人で全工程を把握しながら作る」という設計の一貫性が、AIとの協働によって維持できるようになった。分業の非効率なく、判断の速さで前に進める。

DX経営ゲームは「AIと1人の人間が協働したら何が作れるか」の実験だった。その答えが、dxgame.jpというプロダクトだ。

*シンプルシステム株式会社 代表 伊藤勝彦**DX経営ゲーム:https://dxgame.jp**AI経営シミュレーション(2026年後半リリース予定)*