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開発記録 / 支援ナレッジ検索制作記 / Vol.47 支援ナレッジ検索制作記 Vol.1 溜めた知恵を、引き出せる形に

記事 02

記録の負担を、AIに肩代わりさせる——提出したら、空欄が埋まっている

条件から相談履歴を引けるようにすると、次の壁が見えてきた。その条件を、誰が入力するのか、という問題だ。

2026-07-06 公開

条件から相談履歴を引けるようにすると、次の壁が見えてきた。その条件を、誰が入力するのか、という問題だ。

業種、段階、業務の区分、使った道具、課題、次回の宿題。検索を効かせるには、こうした項目が埋まっていないといけない。けれど、現場を回って疲れて戻った担当者に、一件ずつ細かく入力してくれ、とは言いにくい。記録の負担が重いと、記録そのものが続かない。

書く負担が、記録を止める

どんなに良い検索を作っても、入力が滞れば、中身は増えない。

現場では、相談のようすを音声で録ったり、ホワイトボードや資料を写真に撮ったりしている。素材はある。それを、あとから項目に起こすのが、面倒なのだ。素材から項目への書き起こしが、記録を止めていた。

だったら、その書き起こしを、人ではなくAIにやらせればいい。素材はもうそこにある。人がやっていた「素材を読んで、項目に振り分ける」ところを、肩代わりさせる。

提出をきっかけに、AIが動く

仕組みは、こうした。相談の記録を提出すると、それをきっかけにAIが動きだす。

一緒に添えられた音声や動画、画像を、AIが読む。そこから、相談の内容、見えてきた課題とその回避策、どの業務の相談だったか、使った道具、段階、次回の宿題を、読み取る。そして、記録の空いている欄に、自動で書き込む。

担当者がするのは、素材を添えて提出することだけ。戻ってきたときには、項目が埋まっている。書き起こす作業が、まるごと消えた。

埋まっている欄には、触れない

一つ、気をつけた。AIが埋めるのは、空いている欄だけにした。

担当者が自分で書いた欄は、AIが上書きしない。人が意図して入れた内容を、機械が塗り替えてしまっては、かえって信用を失う。AIは、あくまで空白を補う助手だ。人の記述より前に出ない。

補助のAIを作るとき、この「人の入力を尊重する」線引きは、いつも大事にしている。埋まっていないところを手伝う。埋まっているところには、手を出さない。主役は、あくまで書いた人だ。

記録は、続いてこそ資産になる

この機能を入れて、実感したことがある。記録の仕組みは、一件の質より、続くかどうかで決まる。

どれだけ立派な項目を用意しても、入力が重ければ、数か月で書かれなくなる。書かれなくなった記録は、そこで止まる。逆に、負担が軽ければ、記録は自然に溜まり続け、時間とともに厚みを増す。厚みこそが、後で効く。

だから、記録を扱う仕組みでは、「どう書かせるか」より「どう書かなくて済ませるか」を考える。AIに肩代わりさせられる書き起こしは、させてしまう。人は、判断と、ひとことのメモに集中する。次の回は、その素材をAIに渡すとき、大きなファイルで一度つまずいた話を書く。