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開発記録 / AI_DX制作記 / Vol.43 AI_DX制作記 Vol.7 集客の作り直し

記事 03

「AI内製」を、主役から降ろした——入口の言葉と、検索の言葉は違う

私の診断の入口には、ずっと「AI内製」という言葉が、いちばん大きく置いてあった。自社の仕組みを、外注しきりにせず、AIを使って自分たちで作り直す。事業の核を、そのまま見出しにしていた。それを、外すことにした。

2026-07-04 公開

私の診断の入口には、ずっと「AI内製」という言葉が、いちばん大きく置いてあった。自社の仕組みを、外注しきりにせず、AIを使って自分たちで作り直す。事業の核を、そのまま見出しにしていた。それを、外すことにした。

良い言葉のつもりだった

この言葉に、私は自信を持っていた。

SaaSを月々借り続けるのでもなく、大きな受託開発に丸ごと頼むのでもない。AIを味方につけて、身の丈に合った仕組みを、自分たちの手元に持つ。これは、今だからできるようになった、新しい選択肢だ。事業の思想を、四文字で言い切れる。だから、いちばん前に、いちばん大きく置いた。

言葉として、間違ってはいなかった。今でも、事業の核は、ここにあると思っている。問題は、言葉の正しさではなく、置き場所だった。

その言葉で検索する経営者は、いなかった

広告の失敗が、それを教えてくれた。

「AI内製」と検索窓に打ち込む経営者は、ほとんどいない。人が辞めて困っている社長は、その困りごとを「AI内製」という言葉には翻訳しない。そもそも、自分の悩みを検索する習慣すらない人が多い。一方で、その周辺の言葉を打ち込んでいるのは、無料の道具を探している人ばかりだった。

つまり、私がいちばん大きく掲げた言葉は、買う人の口からも、指先からも、出てこない言葉だった。作り手にとっての核心の言葉が、そのまま、客を呼ぶ言葉になるとは限らない。むしろ、ならないことのほうが多い。

入口の言葉と、答えの言葉は、別だ

ここで、一つ、考え方を整理した。

言葉には、二つの役割がある。一つは、入口の言葉。相手が、今まさに感じている痛みを、そのまま言い当てる言葉だ。もう一つは、答えの言葉。こちらが差し出す、解決の名前だ。この二つは、本来、別物だ。

私は、これを一つにしようとしていた。事業の答えである「AI内製」を、そのまま入口にも使っていた。前の回に書いた、あの会社の順番を思い出す。痛みで入り、答えを後から出す。答えの言葉を入口に置いた瞬間、痛みを抱えた人は、素通りしてしまう。自分の話だと、気づけないからだ。

「AI内製」は、答えの側へ

だから、置き場所を変えた。

見出しからは、「AI内製」を外す。入口には、相手が感じている痛みの言葉を置く。そして、その痛みへの答えとして、後から「それは、AIで自分たちの仕組みに作り直せます」と差し出す。商品の名前は、最初の一行ではなく、二番目、三番目に置く。核心を捨てるのではない。順番の、後ろに回すだけだ。

言葉を、事業の核だからと、いちばん前に置く。その素直さが、かえって客を遠ざけていた。良い言葉ほど、主役から降ろす勇気がいる。

では、入口に置く痛みの言葉を、何にするか。私には、現場で何度も、じかに聞いた言葉が、一つあった。次は、その痛みを、一つに定めた話を書く。