売上のグラフを眺めていて、あることに気づいた。この数字を見ても、肝心なことが分からない。
売上は、伸びていた。悪くない。でも、その売上が、私が走り回って作ったものなのか、仕組みが勝手に生んだものなのか。グラフは、それを教えてくれない。同じ百万円でも、中身がまるで違う。見るべき数字が、ずれていた。
売上だけでは、無人化が見えない
売上は、結果でしかない。
無人で回す事業で、本当に見たいのは、その売上が、どれだけ人手をかけずに生まれたか、だ。売上が伸びても、その裏で私が倒れそうなら、それは健全な成長ではない。売上の額ではなく、その作られ方を見たい。そう思った。
無人で完了した割合を、見る
そこで、新しい指標を、経営の真ん中に置いた。無人で完了した割合だ。
無料の診断、有料の成果物、契約、導入、月々の運用。それぞれの工程で、人が一度も触らずに、最後まで進んだ割合はどれくらいか。これを、工程ごとに測る。診断はほぼ全部、有料の成果物も大半、契約や導入も多くを、人を介さずに通す。この割合が上がることが、事業が育っている証拠だと考えた。
一社あたりの時間を、追う
もう一つ、月々の顧客一社あたり、私が何分使っているかを追った。
顧客が増えても、一社あたりの時間が下がっていけば、全体は回る。逆に、一社あたりが下がらないなら、増えるほど苦しくなる。この一社あたりの時間を、わずかな分数に保てるか。これを、増員せずに続けられるかどうかの、目安にした。
数字は、仕組みに集めさせる
これらの数字を、私が手で集めていたら、本末転倒だった。
無人化を測る作業で、自分の時間が増えては、意味がない。だから、工程の通過も、一社あたりの時間も、例外の原因も、仕組みが勝手に記録して、勝手に集計するようにした。私は、出てきた結果を見るだけ。測ること自体も、無人にする。指標を持つなら、その計測も自動でなければ、続かない。
例外の原因を、数える
そして、例外の原因を、種類ごとに数えた。
どの理由の例外が、いちばん私の時間を奪っているか。それを月ごとに並べる。上位の原因が分かれば、次に何を直せばいいかが分かる。漠然と「忙しい」ではなく、「この原因の例外が、今月いちばん時間を食った」と、名指しできるようにする。
売上、無人完了率、一社あたりの時間、例外の原因。この四つを並べて見ると、事業の本当の姿が見えた。派手な売上の裏で、無人化がどれだけ進み、どこに人手が残っているか。数字を、売上から、無人化の度合いへ。経営の物差しを、組み替えた。
次の回は、それでも全部を一度にやらない、一つの勝ち筋から広げる、という話を書く。