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開発記録 / DBなしブログ制作記 / Vol.54 DBなしブログ制作記 Vol.1 データベースを使わずに、ブログを持つ

記事 03

引っ越せる身軽さと、自前の入り口——どのサーバーでも、同じ手順で

安い器で始めたが、事業が育てば、いずれ上位のサーバーへ移りたくなるかもしれない。そのとき、いまの作りが特定のサーバーの機能に根を張っていると、引っ越しは難儀する。だから最初から、どこへでも持っていける身軽さを設計に織り込んだ。あわせて、管理画面の入り口である認証も、外の仕組みに頼らず自前で用意した。この二つは、別々のようでいて、同じ「縛られない」という一本の方針から出ている。

2026-08-24 公開

安い器で始めたが、事業が育てば、いずれ上位のサーバーへ移りたくなるかもしれない。そのとき、いまの作りが特定のサーバーの機能に根を張っていると、引っ越しは難儀する。だから最初から、どこへでも持っていける身軽さを設計に織り込んだ。あわせて、管理画面の入り口である認証も、外の仕組みに頼らず自前で用意した。この二つは、別々のようでいて、同じ「縛られない」という一本の方針から出ている。

特別な機能に、寄りかからない

引っ越しやすさの要は、その器でしか動かない特別な機能に寄りかからないことだ。使ったのは、どの環境にもだいたい備わっている、ごく標準的な部品だけ。記事はデータファイルに、写真はただの置き場に。仕組みの中心を、サーバー固有の何かではなく、持ち運べるファイルの側に置く。こうしておけば、引っ越し先で環境を細かく整え直す必要がない。ファイル一式を移して、動く言語の版だけ合わせれば、同じように動く。身軽さとは、依存の少なさのことだと思う。

入り口の鍵も、自分で持つ

管理画面には、当然ながら鍵が要る。ここも外の認証サービスに頼らず、自前でこしらえた。初めて開いたときに管理者が合言葉を決め、以後はそれで入る。合言葉はそのままの形では保存せず、元に戻せない形に変換して持つ。入ったあとは、署名付きの通行証で本人だと確かめ続ける。鍵の情報を収めたファイルは、外から直接読まれないよう、置き場に閲覧禁止の札を立てておく。外部の仕組みに預けないぶん、引っ越しても入り口ごと付いてくる。

忘れたときの、逃げ道も素朴に

自前の認証で忘れてはいけないのが、合言葉を失くしたときの逃げ道だ。ここも凝らず、素朴にした。サーバー上の、鍵を収めたファイルを一つ消せば、次に管理画面を開いたときに、また最初の合言葉設定からやり直せる。メールで再発行するような仕組みは、この規模には重い。管理者本人がサーバーのファイルに手が届く前提なら、ファイルを消して作り直す、で十分に足りる。逃げ道もまた、器の身の丈に合わせておく。

縛られないことが、続く安心になる

こうして、この器はどのサーバーにも、どの認証サービスにも縛られなくなった。安いプランで始めて、育ったら移る。その選択の自由を、最初から手放さずに済む。小さな事務所にとって、特定の会社の都合に運命を預けないことは、地味だが確かな安心だ。縛られない設計は、派手さはないが、長く付き合える。

次の回は、このブログでいちばん気を遣った、写真の扱いについて書く。安全に、そして書く人の手間を増やさずに、本文へ写真を差し込む工夫の話だ。