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開発記録 / デジタル模型制作記 / Vol.53 デジタル模型制作記 Vol.1 画面の中で、模型を組む

記事 01

画面の中で、模型を組む——最初の壁は、技術ではなく権利だった

2026年、私はパソコンの画面の中でプラモデルを組んでいた。マウスでパーツをつまみ、所定の位置まで運ぶと、カチッと音がして嵌まる。左には設計図があり、いま組むべき工程の番号が金色に光る。起動すると、箱を開ける演出まで付いている。誰かに売るものではなく、思いつきを形にしただけの試作品だ。それでも、画面の中で模型が組み上がっていく感触には、妙な手応えがあった。

2026-08-17 公開

2026年、私はパソコンの画面の中でプラモデルを組んでいた。マウスでパーツをつまみ、所定の位置まで運ぶと、カチッと音がして嵌まる。左には設計図があり、いま組むべき工程の番号が金色に光る。起動すると、箱を開ける演出まで付いている。誰かに売るものではなく、思いつきを形にしただけの試作品だ。それでも、画面の中で模型が組み上がっていく感触には、妙な手応えがあった。

一枚のファイルから、始まった

この試作は、たった一枚のHTMLファイルでできている。外部の部品を使わず、ダブルクリックすれば誰の環境でも動く。パーツは絵を描いて用意するのではなく、プログラムで生成する。百個近いパーツを九つの工程に分け、いまの工程の分だけ小出しにする。完成形の輪郭がうっすら見えていて、ドラッグして近づけると吸い付くように嵌まる。面倒になったら全自動で組み上げるボタンもある。

題材を、実在の戦闘機にしてみた

最初の題材は空想のロボットだった。これを、誰もが知る実在の戦闘機に作り替えてみた。上面から見た平面図を基にモデルを起こし、設計図の様式もそれらしく整える。見栄えは一気に良くなった。知っている機体が自分の手で組み上がっていくのは、空想のロボットとは違う満足感がある。題材の力は大きい、と素直に思った。

格好良さの裏に、権利があった

ところが調べるほどに、この道の険しさが見えてきた。現役の軍用機や実在の乗り物には、メーカーの商標やライセンスの実務がある。個人の学習用デモならまだしも、商売にするなら、名称やロゴを避けるか、正式にライセンスを受けて弁理士に確認するかしかない。古い時代の機体は比較的権利が枯れているが、それでも慎重さは要る。格好良い題材ほど、誰かの権利の上に立っている。ここで一度、立ち止まった。

扱う題材は、権利フリーだけと決めた

結論は明快だった。ライセンスが必要な現用機や実在ブランドは扱わない。題材は自分たちで生み出す。オリジナルの精密メカ、恐竜や古生物、ロケットや惑星といった学びの題材、権利の切れた歴史的な機械。自社で権利を持つ題材なら、堂々と売れるし、それ自体が資産になる。あわせて、スマホを主軸にすること、買い切りとサブスクの併用、すべて内製で作ることも、この日に決めた。

次の回は、同じ一つのモデルから難易度を作る話。パーツを増やすのではなく、束ねるという発想について書く。