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開発記録 / 出荷データ変換制作記 / Vol.48 出荷データ変換制作記 Vol.1 二つのサービスの、あいだをつなぐ

記事 01

二つのサービスの間に、翻訳機を置く——毎日の手作業を、変換に置き換える

あるネット販売の事業者から相談を受けた。注文は販売サイトに溜まる。発送は配送会社の仕組みに入れる。この二つが、つながっていない。

2026-07-13 公開

あるネット販売の事業者から相談を受けた。注文は販売サイトに溜まる。発送は配送会社の仕組みに入れる。この二つが、つながっていない。

だから毎日、注文の一覧を書き出し、配送会社の形式に、手で並べ替えていた。多い日は数百件。項目の位置も、名前も、二つの仕組みで全く違う。この並べ替えを、人が一件ずつやっていた。ここを、機械に任せたい、という話だった。

つなぐのではなく、翻訳する

最初、二つの仕組みを直接つなぐ方法を考えた。けれど、それぞれの都合があって、簡単には手を出せない。

そこで、間に翻訳機を置くことにした。販売サイトから書き出したデータを受け取り、配送会社が求める形に組み替えて、吐き出す。二つの仕組みには触らず、その間に立つ道具を一つ作る。人が頭の中でやっていた並べ替えを、そのまま機械の仕事にする。

つなぐのは大がかりだが、翻訳するだけなら小さく作れる。今すぐ効いて、壊すリスクも小さい。まずはこの形から始めた。

往きと、帰りがあった

作りはじめて分かったのは、翻訳が一方向では済まないことだった。

往きは、注文を配送会社の形式に直して、発送の指示にする。これは分かりやすい。けれど帰りもある。発送が終わると、追跡番号が発行される。今度はそれを、販売サイトの側に伝え返さないといけない。買った人に、発送しました、と知らせるためだ。

往きと帰りで、形式もやり方も違う。片方だけ作っても、仕事は半分しか楽にならない。だから、往復の両方に、それぞれ翻訳機を用意した。行きっぱなしにしない。

列の構成は、まるで違った

二つの形式を並べると、共通点のほうが少なかった。

同じ「住所」でも、片方は一つの欄に、片方はいくつもの欄に分かれている。名前、電話、品名、数量。どれも、置かれる位置も、分け方も違う。人が手でやっていたときは、その違いを、経験と勘で吸収していた。機械にやらせるには、その違いを、一つずつ対応づけないといけない。

地道な作業だった。でも、ここを正確にやれば、あとは何百件だろうと、同じ品質で一気に変換できる。人の手なら疲れとともに増えるはずの取り違えが、機械なら一件目も最後の一件も、同じだ。

翻訳機は、触れる範囲を小さくする

この仕事で、あらためて良さを感じたのが、翻訳機という作り方だった。

二つの大きな仕組みには、指一本触れない。間に、小さな道具を一つ置くだけ。だから、どちらかの仕組みが変わっても、影響は翻訳機の中で吸収できる。壊す範囲が小さく、直す範囲も小さい。

現場の困りごとは、たいてい「AとBの間の手作業」に宿っている。AもBも動いているのだから、無理に作り替える必要はない。間に翻訳機を一つ置く。それだけで、毎日の手作業が消えることは多い。次の回は、その変換で、いちばん多くの人がはまる落とし穴、先頭のゼロが消える話を書く。