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開発記録 / AiInterview制作記 / Vol.21 AiInterview制作記 Vol.1

記事 01

LINEでAIがインタビューする——地域情報メディアのコンテンツ収集自動化

地域のお店を紹介する記事を1本作るのに、何時間かかるか。

2026-06-07 公開

地域のお店を紹介する記事を1本作るのに、何時間かかるか。

取材のアポを取り、現地に行き、話を聞き、写真を撮り、帰って書く。早くても2〜3時間だ。それを毎週積み上げていくとなると、専任のライターが必要になる。小さな地域メディアにはその余裕がない。

だから「AIがLINEでインタビューして記事を作る」仕組みを作った。


なぜLINEで取材するのか

地域の事業者にWebフォームへのアクセスを求めても、反応は薄い。しかしLINEならほぼ全員が使っている。

「LINEで質問に答えるだけで記事になる」という仕組みなら、取材のハードルが大幅に下がる。事業者はLINEの公式アカウントを友だち追加して、「取材を受ける」ボタンを押す。それだけだ。

AIが5回質問して、回答をもとに記事を生成する。


システムの流れ

事業者がLINEリッチメニュー「取材を受ける」をタップ
  → LIFFフォームで基本情報(店名・業種)を登録
  → GASがLINEでインタビュー開始
  → 5回のQ&A(Geminiが次の質問を生成)
  → 記事生成(Gemini)
  → 写真送信依頼(最大2枚)
  → 管理画面で確認・編集・公開

技術スタックはGAS・LINE Messaging API・Gemini APIだ。データはGoogleスプレッドシートで管理する。Sessions・Messages・Articles・Submissions(投げ込みフォーム)・Issues(号管理)という複数のシートが状態を持つ。


セッション管理

インタビューは「セッション」という単位で管理する。1人の事業者が取材を受けると1つのセッションが作られ、完了するまで維持される。

WAITING_START → INTERVIEWING → GENERATING → WAITING_PHOTO → COMPLETE

LINEからメッセージが届くたびに、GASはそのLINE User IDに対応するセッションを探して、現在のステータスに応じた処理をする。「この人は今インタビューの3問目にいる」という状態をスプレッドシートが持ち続ける。


5ターンのQ&A

最初の質問は固定だ。「お店の特徴を教えてください」という入口から始まる。

2問目以降はGeminiが生成する。前の回答を読んで「次に何を聞くべきか」を判断する。前の回答で興味深かった点を深掘りする。まだ聞いていないことを埋める。読者が知りたいと思う情報を引き出す。

function generateNextQuestion(sessionId, turnCount) {
  const messages = getSessionMessages(sessionId);
  const conversationLog = messages.map(m =>
    `${m.speaker}: ${m.message}`
  ).join('\n');

  const prompt = `以下は事業者へのインタビューの会話です。${turnCount}回目の質問に対して回答を受け取りました。
次の(${turnCount + 1}回目の)質問を生成してください。

${conversationLog}

次の質問(1文で、自然な会話として):`;

  return callGemini(prompt);
}

5問目だけは「締めくくりのメッセージを引き出す」という文脈をプロンプトに追加する。インタビューとしてきれいに終わるようにする。


写真の受け取り

インタビューが終わって記事が生成されると、GASは「写真を送ってください(最大2枚)」というLINEメッセージを送る。

事業者がLINEで画像を送ると、GASがLINE APIで取得してS3に保存する。1枚目を受け取った後もWAITING_PHOTOのまま待ち続ける。2枚目を受け取るか「スキップ」「不要」というキーワードが来るとCOMPLETEになる。

写真URLを記事データに紐づける。管理画面では記事と写真を合わせて確認できる。


投げ込みフォーム

取材を受けるほどではないが告知したい情報もある。イベントのお知らせや、新メニューの情報。これらのために「投げ込みフォーム」も用意した。

投げ込みフォームから送信された内容もGeminiが記事化する。事業者が書いた箇条書きを、読み物として整形する。

取材記事と投げ込み記事が混在して号を構成する。


*次回は「Geminiがインタビューと記事生成を担う——5ターン会話と記事生成プロンプトの設計」*

*シンプルシステム株式会社 代表 伊藤勝彦*