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開発記録 / Fuhne制作記 / Vol.16 Fuhne制作記 Vol.1

記事 01

完全予約制焼き菓子店のLINEお取り置き注文システムを作った話

その店はそういう焼き菓子店だ。その市で手作りのタルトと焼き菓子を、完全予約制で販売している。注文は日曜の0時から木曜の12時まで。それ以外の時間は受け付けない。週に一度だけ開く扉を守るためのルールだ。

2026-06-07 公開

土曜の13時から17時だけ、店を開ける。

その店はそういう焼き菓子店だ。その市で手作りのタルトと焼き菓子を、完全予約制で販売している。注文は日曜の0時から木曜の12時まで。それ以外の時間は受け付けない。週に一度だけ開く扉を守るためのルールだ。

このルールをシステムで実装することが、焼き菓子店の仕事の本質だった。


LINEで注文したい、というお客さんの声

焼き菓子店にはBASEで運営するオンラインショップが既にあった。しかしInstagramを見て気になったお客さんの多くが、オンラインショップではなくLINEで「注文できますか」と送ってくる。

理由は想像できる。BASEで購入するには会員登録と決済情報の入力が必要だ。LINEのDMなら、そのまま話しかけるだけで済む。習慣の中に組み込まれたコミュニケーション方法から、人は離れにくい。

「LINEで完結できないか」という要望に、システムで応えることにした。

焼き菓子店はお取り置き(店頭支払い)方式のため、決済機能が必要ない。これがLINE+GASという軽量な構成で実現できた最大の理由だ。


ルールをそのままシステムに翻訳する

焼き菓子店の注文ルールは2種類ある。

「いつ注文できるか」と「いくつ注文できるか」だ。

日曜0時〜木曜12時のみ受付。土曜の受け渡し時間帯(13時・14時・15時・16時)は各枠5件まで。

このルールを「システムが知っている」状態にするのが、この仕事の核心だった。受付期間外にフォームを開いても注文できない。5件埋まった時間帯は「満枠」と表示されて選べない。

フロントエンド(画面)とバックエンド(GAS)の両方で同じ判定を行う。フロントエンドだけでは、ブラウザのデバッグツールでJavaScriptを書き換えて制限を突破できる。GASで再確認することで、どんな経路で来た注文も同じルールが適用される。


注文者を自動で特定する

お客さんがLINEのリッチメニューから注文フォームを開くと、LIFFがそのLINEユーザーIDを自動で取得する。フォームに名前を入力しても、注文確認や受け渡し通知はそのLINEアカウントに自動で届く。

LINEアプリ以外から開いた場合は「LINE公式アカウントを友だち追加して、LINEから開いてください」という案内を表示して、注文フォームを表示しない。LINEユーザーIDが取得できないと通知が送れないため、この制限は必須だ。


管理画面は「店主が使えること」を最優先に

オーナー向けの管理画面はGASのHTMLサービスで作った。

注文一覧が並んでいて、「確定する」ボタンを押すとお客さんのLINEに「ご注文を確定しました」という通知が届く。商品の追加・編集・削除もできる。写真も登録できる。

複雑な管理ツールを覚えてもらう必要はない。パソコンかスマートフォンで特定のURLを開くと、今週の注文が全部見える。それが焼き菓子店の管理画面に必要な全てだった。


*次回は「注文受付期間と枠上限の実装——時間と件数で注文を制御する」*

*シンプルシステム株式会社 代表 伊藤勝彦*