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開発記録 / AiReview制作記 / Vol.14 AiReview制作記 Vol.1

記事 01

TypeFormとGASで事業計画書AI添削システムを作った話

「講師が一人ひとりの計画書を丁寧に見る時間は限られています」

2026-06-07 公開

「講師が一人ひとりの計画書を丁寧に見る時間は限られています」

ある創業カレッジの担当者との会話で、その言葉が出た。その市が運営する創業支援講座だ。受講者は事業計画書を書く課題を出される。しかし提出件数に対して、フィードバックを返すための時間が圧倒的に足りない。

AIに第一次チェックを任せてみたらどうか。そういう発想から、AiReviewは始まった。


受講者にとっての価値を先に考えた

「講師が楽になる」という観点ではなく、「受講者にとって何が変わるか」を先に考えた。

事業計画書を書いた後、フィードバックが届くまでに数日かかる講座では、書いた内容を忘れかけた頃に「ここが弱い」と言われる。改善の意欲が続かない。

AIが即座にフィードバックを返す設計なら、提出した数分後には詳細なレポートが届く。記憶が新鮮なうちに、具体的な改善点と向き合える。サイクルが早くなる。

これは講師のコスト削減よりも、受講者の学習体験の改善として位置づけた。


設計はシンプルに決まった

TypeFormで受け取り、GASがGemini APIを呼び、Google Driveにレポートを保存する。4ステップだ。

TypeFormを選んだ理由は、長文回答のUIとして優れており、Webhookが標準機能として付いているからだ。GASはGoogleのサービスとの連携が容易で、サーバーを別途用意せずに済む。

function doPost(e) {
  const payload = JSON.parse(e.postData.contents);
  const answers = payload.form_response.answers;
  // ...
}

TypeFormのWebhook設定画面にGASのWebアプリURLを入れると、フォームが送信されるたびにdoPostが呼ばれる。


Gemini 2.5 Flashを選んだ判断

事業計画書の添削で求められるのは、5,000字以上の詳細なレポートだ。数百字の要約ではなく、「ここをどう書き直せばいいか」まで具体的に示す必要がある。

Gemini 2.5 FlashはmaxOutputTokensを16,000に設定できる。GPT-4系と比べてコストが低く、長文生成でも安定している。

const response = UrlFetchApp.fetch(
  `https://generativelanguage.googleapis.com/v1beta/models/gemini-2.5-flash:generateContent?key=${GEMINI_API_KEY}`,
  {
    method: 'post',
    contentType: 'application/json',
    payload: JSON.stringify({
      contents: [{ role: 'user', parts: [{ text: prompt }] }],
      generationConfig: { temperature: 0.5, maxOutputTokens: 16000 }
    })
  }
);

GASからAPIを直接呼び出す。Geminiへのアクセスに専用のライブラリは不要で、URLFetchApp.fetchで事足りる。


「何を改善したいか」を選べる設計

受講者が一様に「添削してください」と言うわけではない。自分の計画書の「どこが弱いか」は人によって違う。数字が弱い人もいれば、戦略が曖昧な人もいれば、文章として説得力が足りない人もいる。

7種類の支援種別を定義した。受講者がフォームで選ぶと、その選択内容によってGeminiへのプロンプトが変わる。

「何のために添削するか」が明確になることで、AIも的確な方向に向く。


生成されたレポートの届け先

GASが生成した添削レポートは、Googleドキュメントとして受講者の名前・提出日時でフォルダ分けしてDriveに保存する。講師はそのDriveフォルダを見ることで、AIのレポートと受講者の回答原文を一か所で確認できる。

受講者にはGmailでDriveのリンクを送る。フォームを送信してから数分後には、詳細な添削レポートのURLが届く。


*次回は「Gemini 2.5 Flashで長文レポートを生成する——プロンプトエンジニアリングの実際」*

*シンプルシステム株式会社 代表 伊藤勝彦*