伊藤 勝彦

2019年9月19日3 分

IT化の前にやるべきこと、、、

最終更新: 2020年3月1日

労働生産性を高めようと、国がIT導入補助金などの政策を打ち出すことには理由があます。

中小企業のIT化の遅れが最大の要因です。

なぜ中小企業のIT化は遅れてしまっているんでしょうか?

コストの問題?IT人材不足の問題?やる気の問題?ITベンダーの問題?

これらの問題はIT化の遅れの根本的な理由ではありません。

IT化の遅れの主な要因は、私たち日本人が使っている「日本語」にあると考えています。

「日本語」は多様性という素晴らしい特徴を持った言語です。

丁寧語・尊敬語・謙譲語など、相手の立場やその場の状況によって使い分けられます。

もし、使い方を間違えると、、、「あいつは礼儀がなっていない」とトラブルのもとになります。

故に、、「メール」や「チャット」など効率的なコミュニケーションツールがありながら、「電話でないとニュアンスが伝わらない」「顔を見て話さないと誠意が伝わらない」となってしまいます。

決して、電話や面会のコミュニケーション方法を否定するわけではありませんが、『IT化』という目的を達成するためには、「電話」「面会」のコミュニケーション機会を減らしていくことが大変重要になるのです。

では、我々日本人が日本語を使っている以上、「IT化」を果たすことができないのか?

そんなことはありません。

「IT化」の前に「メール」や「チャット」などの『文字コミュニケーションスキル』を高めていけばよいのです。

『文字コミュニケーションスキル』????

『文字コミュニケーションスキル』とは、「メール」や「チャット」などの文字だけで、ビジネスの現場で、感情を伝え、誠意を伝え、意図を伝えるスキルのことです。『文字ニケーション』という言葉もあるようですね。

日本には『文字コミュニケーションスキル』に長けている人たちがすでにたくさんいるのをご存知ですか?

「若者」ですね。SNSでコミュニケーションを取り、電話や面会などのコミュニケーションをおっくうと感じる世代です。

そうです。若者世代はすでに、日本におけるIT化の前提スキルを持っているのです。もちろん、ビジネスで必要な「感情」「誠意」「意図」を伝えられるような完全なスキルではありませんが、素養はあるということです。

私は、「メール」や「チャット」だけで、「電話」や「面会」というコミュニケーションを使わず、仕事を受け・発注し、完結させるスキルを持っています。意図的にスキルを持ったのではなく、そうしなければコミュニケーションできない人たちと仕事をしたことがきっかけとなりスキルを身に着けていきました。

IT化の前にすべきことは、『文字コミュニケーションスキル』を身に着けることです。これは一朝一夕に身に着き、会社に根付くものではありません。

『文字コミュニケーションスキル』を身に着けるために、会社全体で以下のことに取り組んでください。

①電話をやめる

②会議をやめる

③移動をやめる

④手書きをやめる

⑤雇用をあきらめる

「⑤雇用をあきらめる」が分かりにくいと思います。決して人を辞めさせろということではありませんので誤解のないよう補足しておきます。中小企業の経営者や人材担当者は常に人手不足感で不安な毎日を過ごしていることでしょう。これからますます人口が減り、人材確保もますます困難さを増していきます。今までは「人」によって賄われていた役割を、「IT」や「機械」にシフトしていこうということです。人がやるべきことと、「IT」や「機械」ができることを見極め、できる限り人がやるべきことを「IT」や「機械」に移していきましょう。

これらの5つの取り組み。むしろ若者世代には歓迎されるのでは??そして働きやすい会社という評価につながるのでは?とも期待しています。

これらの5つの取り組みを進めながら、「感情」「誠意」「意図」を正しく伝えられる『文字コミュニケーションスキル』を身に着けていきましょう。

「感情」「誠意」「意図」を正しく伝えられる『文字コミュニケーションスキル』の身に着け方についてはまたの機会に。

ITコンサルタント 伊藤勝彦(いとうかつひこ)でした。

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